コエンザイムQ10サプリの製造方法

コエンザイムQ10はもともと人の体内や、食物などに含まれる成分です。
では、サプリメントのコエンザイムQ10はどのように作られているのでしょうか。

コエンザイムQ10の製造方法

合成法

コエンザイムQ10の製造方法のひとつが合成法です。
合成法は、1966年、日本企業である日清ファルマが世界に先駆けて初めてコエンザイムQ10の大量生産に成功した作り方です。

合成法の原料はタバコの葉です。
まずコエンザイムQ3を生成し、化学合成でコエンザイムQ10を作り出します。

この量産化の成功により、コエンザイムQ10は世界的に流通するサプリメントとなりました。

発酵法

発酵法は酵母などからコエンザイムQ10を作り出す方法です。
サトウキビやテンサイを原料に、酵母や微生物で発酵をおこさせ、そこからコエンザイムQ10を取り出します。
つまり化学合成ではなく、自然の力でコエンザイムQ10を大量生産できる方法なのです。

発酵法は1997年、日本企業のカネカが開発しました。
合成法よりも自然に近いという安心感から、サプリメントの原料として世界的に流通しています。
また、発酵法は合成法に比べて体内への吸収率がよく、その品質でも注目を集めています。

サプリメントの吸収率を上げる工夫

ミセル化

コエンザイムQ10は安全性が高く、人間の活動に役立つ成分ですが、脂溶性で分子サイズが大きいために体内への吸収性が悪いという問題があります。

そこで、その問題を解決する方法として、製品によって吸収性を上げるさまざまな工夫がなされていることがあります。

その工夫のひとつがミセル化です。
コエンザイムQ10は成分同士がくっつきやすく、塊のようになりがちです。
そこでミセル化では機械などを用いてすり潰し、乳化剤を加えてくっついた成分同士をバラバラにほぐします。
そして油脂と合わせてカプセル化することで、体内で吸収しやすいようにします。

ミセル化することで吸収率はそれまでの1.5~3倍ほど良くなります。

包接体

包接体は、ミセル化よりもさらに吸収性をアップさせた形状です。

ミセル化では機械と乳化剤でコエンザイムQ10をバラバラの単体状にしていましたが、包接体では環状オリゴ糖とよばれるデンプン加工物を使用します。
環状オリゴ糖にはくっついたコエンザイムQ10の塊をバラバラの単体にする性質があります。機械ですり潰すミセル化よりも、環状オリゴ糖を使ったほうが、コエンザイムQ10の一粒サイズは小さくなり、より体内吸収されやすくなります。

さらに環状オリゴ糖は、小さくバラバラになったコエンザイムQ10を1つずつ包み込む性質があります。
包接体と呼ばれる理由も、コエンザイムQ10が包まれた状態になっていることに由来しています。

また、環状オリゴ糖は水溶性で人間の体内で溶けやすく、腸内の消化液で消化することもできます。そのため、口から摂取して腸内に入ると溶けそれまで包んでいたコエンザイムQ10を放出します。
この時点で、コエンザイムQ10はサイズが小さく吸収性が高い状態になっているので、体内吸収されやすいというわけなのです。

包接体の吸収率は、何も加工をしていない状態と比較すると10倍以上といわれています。

包接体は、脂溶性であった無加工やミセル化と違って、脂で溶かす必要がありません。
そのため、サプリメントにする時は粉のままで用いられます。
例えば粉のままカプセル化したり、粉を押し固めて錠剤にするなどしています。


コエンザイムQ10サプリの製造方法について、原料となるコエンザイムQ10の製造方法や、吸収性を上げるサプリメント化の工夫をご紹介しました。
コエンザイムQ10サプリを選ぶときは、製品それぞれの特長をよく知ったうえで比較したいですね。
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