医薬品としてのコエンザイムQ10

コエンザイムQ10は、ダイエットから病気予防まで様々な効果を持つ成分で、現在は主にサプリメントとして多くの方に利用されています。
しかし、コエンザイムQ10は元々医薬成分として発見され、主に心不全の治療薬に使用されてきました。
今回は、医薬品として用いられていたコエンザイムQ10についてご紹介します。

コエンザイムQ10の医薬品としての効果

上記の通り、コエンザイムQ10は元々心不全の医薬成分として発見されたものです。
420名の心不全患者に対して行った研究では、コエンザイムQ10を毎日300mg摂取した人は心不全の発作の発症率が40%以上低かったという結果が出ています。
また、発症後の死亡率も40%以上低下しました。

日本では「うっ血性心不全」という病気の治療薬として1973年に認可が下りており、その効果の高さが認められています。
うっ血性心不全とは、心臓のポンプ機能の低下によって肺などにむくみが生じ、呼吸困難を起こす病気です。

ほとんどの心不全患者の体内では、コエンザイムQ10の量が健康な人よりも少ないことが分かっています。
心臓は1日に10万回以上もの鼓動を繰り返しており、その活動には多大なエネルギーが必要です。
コエンザイムQ10にはエネルギーの生成を促進する働きがあるため、心臓が充分に動き続けるためには必要不可欠な成分と言えます。

ただし、コエンザイムQ10は短期間の摂取では医薬効果が見られないことに注意が必要です。
上記の研究においても、16週間では効果がなく、2年以上摂取し続けて初めて改善効果が見られたとの報告があります。

コエンザイムQ10で心不全を予防するには、長期間の使用が不可欠であることを念頭においておきましょう。

医薬品と健康食品、それぞれのコエンザイムQ10の違い

上記の通り、医薬品としてのコエンザイムQ10は心不全への効果、安全性ともに高くなっています。
しかし、医薬品がそのような特徴を持つからと言って、サプリメントなどの健康食品で同じ効果が期待できるかと言えば、そうとは限りません。

医薬品としてのコエンザイムQ10は、製造工程や含有量などが薬事法に基づく品質管理基準によって定められています。
そのため、コエンザイムQ10の医薬品には余計な添加物が配合されておらず、純粋なコエンザイムQ10のみが配合されたものとなっています。

しかし、サプリメントなどの健康食品においては厳しい品質管理基準などがなく、コエンザイムQ10自体の純度も製品によってばらつきがあります。
つまり、同じ量を摂取したからと言って医薬品と同レベルの効果が得られるとは限らないということになります。

コエンザイムQ10は安全性が高い

コエンザイムQ10は体内でも生成されている成分なので、人体との親和性が高く副作用の可能性が非常に低いことも特徴です。
他の医薬成分は即効性がある反面、人体に悪影響を及ぼすものも数多くありますが、コエンザイムQ10はそのような心配が少なくなります。
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