コエンザイムQ10とチロシン

チロシンはコエンザイムの原料

コエンザイムQ10と関係の深い物質に『チロシン』があります。
アミノ酸であるチロシンは、糖代謝の中間物質でもあるアセチルCoAと一緒になってコエンザイムとなるのです。
つまりチロシンはコエンザイムの原料の一つだと言えます。
ここではこのチロシンにスポットを当ててみたいと思います。

チーズから発見されたチロシン

チロシンはアミノ酸の一種で、略号は『Tyr』と記されます。
多くのタンパク質内に見ることができます。形は光沢がある針状の結晶です。
チロシンはコエンザイム以外にも神経伝達物質の原料となり、うつ状態を改善する効果がある非必須アミノ酸の一種です。
加えて代謝や自律神経の調整を行ったり、身体の成長を促す甲状腺ホルモンの原料や、髪の毛、皮膚の黒色色素であるメラニンの材料ともなる変幻自在なアミノ酸です。

このアミノ酸が発見されたのは1846年のことです。
ドイツの化学者リービッヒが、チーズのカゼイン(たんぱく質の一種)から発見しました。
語感からも何となく伝わるように、チロシンという名前はギリシア語の「チーズ」を由来としています。

チロシンは、やる気を引き起こすホルモン『ドーパミン』と、意欲をもたらす『「ノルアドレナリン』の原料にもなります。
そのため、鬱病の治療にも役立つ物質です。
神経伝達物質を活性化させ、鬱病や、まだ鬱病ではないが、何ごとにもやる気が起きず、慢性的な疲労感に悩まされているなどといった症状を改善します。

チロシンはコエンザイムの原料ですから、摂取することで体内でコエンザイムを作ることはできるでしょう。
ですが、私たちの体は加齢やストレスによってコエンザイムの生成機能自体が衰えてきます。
ちょうど老朽化した工場のラインに、どんなにたくさんの原料を送り込んでも生産効率が上がらないように、チロシンを多く摂ったところで、さほどコエンザイムの量が増えるわけではありません。
全く意味がないわけではありませんが、できるならダイレクトにコエンザイムQ10を摂った方が効率的かも知れません。
海外にくらべ、チロシン単体のサプリメントが日本国内でほとんど流通していないのは、上記のような理由からかも知れませんね。
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