子供がコエンザイムを摂取するとどうなる?

健康や美容サポートに人気のコエンザイムQ10ですが、子供が摂取しても良い影響があるのでしょうか?
ここではコエンザイムQ10と子供について解説します。

子供とコエンザイムQ10サプリメント

摂取の必要性

まず基本的に、子供にはコエンザイムQ10を摂取する必要がありません。
理由は、必要なコエンザイムQ10量を充分に持っているためです。

大人にコエンザイムQ10が勧められる理由は、年齢とともに減っていくコエンザイムQ10を補うためです。
コエンザイムQ10は20歳頃をピークに少しずつ体内から減りはじめ、40歳あたりから急激に減少します。
つまり、20歳頃まではコエンザイムQ10量の心配をする必要がないのです。

安全性

コエンザイムQ10自体は子供にとっても安全なものです。
子供の体内でもコエンザイムQ10が生成されていますし、普段食べている物の中にも微量ですがコエンザイムQ10が含まれています。

しかし、だからといってサプリメントが安全とは限りません。
サプリメントにはコエンザイムQ10の他にもいくつかの成分や添加物が含まれているため、配合されている成分や添加物が子供にとって良くない可能性もあります。
実際にコエンザイムQ10を販売しているメーカーでも、子供への使用は控えるように呼びかけています。
サプリメントは大人向けに開発されたもので、子供への影響は考慮されていないのです。
そのため、子供に与えることで、成分の影響が強くでるなど思わぬ健康被害を招いてしまう可能性もあります。

小児医療におけるコエンザイムQ10を用いた治療

コエンザイムQ10と小児線維筋痛症

子供は特別に摂取する必要のないコエンザイムQ10ですが、例外もあります。
小児線維筋痛症のケースです。
小児線維筋痛症とは、いわゆる子供のリウマチ症のことです。
体や手足にこわばりや痺れ、痛みといった症状がでるのが特徴で、1990年代から「線維筋痛症症候群」の名前で呼ばれるようになっています。

2013年に、小児線維筋痛症の治療にコエンザイムQ10の効果が期待できるというニュースがでました。
東京工科大学と横浜市立大学による研究チームが、小児線維筋痛症の患者は、健康的な小児と比較して、血中のコエンザイムQ10量が少なく、反対にコレステロール量が多いことを発見ものです。
これにより、コエンジアムQ10の欠乏が小児線維筋痛症を引き起こすことが判明したのです。

小児線維筋痛症に効果

小児線維筋痛症患者へは、コエンザイムQ10を投与する試みも行われています。
その結果、血中のコレステロール値が改善したうえに、疾患による疲労も軽減できたことが確認されました。※1
今後も治療にコエンザイムQ10の効果が期待されています。
東京工科大学プレスリリース「山本順寛教授らの研究チーム「小児線維筋痛症」が、コエンザイムQ10の欠乏で起こることを発見」東京工科大学(2018/03/20)

このように、コエンザイムQ10は小児線維筋痛症などの例をのぞけば、基本的に子供が摂取する必要はありません。
もしも、疲れやすい、元気がないなど、何か子供の体調面で気になることがあれば、自己判断でサプリメントを与えるのではなく、まずは病院で相談するようにしてみましょう。

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